この年齢になるまで、転居を経験したのはわずか2回しかない。
最初は結婚した時。
私達の新婚生活は、築数十年の木造アパート、その2階の2Kから始まった。
安普請ゆえ、日常的に隣近所の生活音が聞こえてくる。
時折、なんともエロティックなお声が聞こえてくることもあった。
逆もしかりで、私達の話声や足音なども聞こえていたことだろう ^_^;
集合住宅、特にオンボロアパートの住民としては、お互いさまなのである。
ここで私は2回、恐怖の体験をしたことがある。
私達が寝ている部屋の窓越しに、隣接するおしゃれなアパートのベランダがあった。
何度も言うが、2階の部屋である。
夜中、ふいにベランダのガラスが割れる音で目が覚めた。
続いてドタバタと走り回る足音。
そして
「110番してえええええええ」
闇をつんざく女性の叫び声。
??????
間もなくしてお巡りさん登場。
翌日聞いた話では、その部屋に住む女性の元カレが復縁を迫り、ベランダのガラス窓を割って侵入したとのこと。
怖かったわああ。
もうひとつ
これは同じアパートの向かいの部屋に住む独身女性。
時折、彼氏(見るからに道ならぬ関係)を自分の部屋に招き入れていた。
ある日、たまたまケンカをしたのだろう。
その男が帰り際、ドアの外で彼女を一発平手で殴ったのだ。
それを見ていた同じアパートに住むオヤジ激怒 o(`Д´#)oゴルァ!
彼女とは縁もゆかりもないただの住人。
独り者で、見るからに腕っぷしの強そうな強面である。
今考えると、もしかしたらこの女性を少なからず想っていたのかも知れない。
その現場を目撃するやいなや、不倫男をとっつかまえて後ろ手を絞り上げた。
「(オレの好きな)女に手を挙げるなんて許せねえ」
とでも思ったのだろうか。
ガリヒョロメガネの不倫男を路上に押し倒し、柔道の寝技のごとき体制をとる。
そしてそばで見ていたおばさんに、紐を持って来るように頼んでいた。
この上、縛り上げようというのだ。
お白州か???
間もなくお巡りさんがやって来て、不倫男の方を連れて行ったのだが、お縄にされるべきはオヤジの方ではなかろうかと思ったほどだ。
長男が小学校を入学するのを機に、この地に居を移した。
早いものでもう25年。
来たばかりの頃は〇〇村。
信じられる?
『村!』だよ。
今は市町村合併で市に昇格したけれど、人口は年々減り続けている。
子どもの姿を見かけなくなり、行き交う人は老人ばかりの寂しい街になった。
でも、言い換えれば静かで落ち着く…とも言える。(-_-)
住めば都だ。
ずっとこの街に住みたいと思っているのだが、ココが終の棲家になるかどうかは今後の私の健康状態による。
~今日の一句~
健康で 静かに余生を 送りたい
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