実家の母は先月86歳になった。今は老人施設に居を移しているが、数年前までは兄夫婦と上下の二世帯住宅で暮らしていた。
夫を見送り、長女(私の姉)を見送り、実母(同居していた)を見送ってからは2階に兄夫婦がいるものの、ほとんど一人暮らしのような生活をしていた。
私は毎週末、病院受診と買い出しに連れて行っていたのだが、母が80を過ぎた頃から、なんとなく様子がおかしい?と思うようになった。怒りっぽくなったし、我慢ができなくなったような…。昔はこんなんじゃなかったのに、どうしちゃったんだろ?と不思議に思ったのを覚えている。これこそが高齢者特有の症状だと気がついたのはそれから随分経ってからだった。
一番困ったのは、処方薬を飲んだり飲まなかったり、大量に飲んだり、捨ててしまったり…という事が増えたこと。飲まないというのもマズイけど、大量飲みはそれ以上に良くない。しかも大量に飲んでしまったのか、捨てたのか、本人はハッキリわからない。嘘をついているのか、本当にそうなのかも私には量り知ることができなかった。
さりとて薬のことは重要案件だ。当然私の言葉も荒くなる。
お薬カレンダーに朝昼夜の分、それぞれをセットしてテレビの横に貼り付けた。そしてこんこんと言い含めた。
「朝はここ!昼はここ!夜はここ!だからね!!!わかった???」と。
次の週末・・・・・先週入れたそのまま。もうコレは本人に任せておけない、と思った矢先、母は自宅で転倒し、大腿骨骨折という大怪我を負った。
その前年には乳癌で手術もしている。
認知が進むのに打って付けの災難に相次いで見舞われた格好になった。
あの時無理に手術しなければ、転ばなければ…とつい考えてしまう。
昨日、100均でこういうのを買って来た。
もちろん自分用。
次の受診まであと7日、薬の残数が11日分…なんてことが往々にしてある。というよりほぼ毎回そうなんだ。
飲まなかった分、体調が悪くなったかといえばそんなこともないのだけど、すっぱり止めてしまうほどの度胸もない。高血圧と高脂血症の薬は一生飲み続けなくてならないらしく、下世話な話し、それなりの散財でもあるので、キチンと飲まなくてはもったいない。
将来、自分の薬を自分で管理できなくなったら…私も娘に怒られるのだろうか。
かつての母のように。
イヤだわぁ。
〜今日の一句〜
冬近し 洗濯物が 乾かない