結婚した時、記念に自分で買った掛け時計がある。
夫婦二人の生活が始まり、初めての子どもが生まれ、そして2人目、3人目が生まれ、アパート暮らしを経て、この家に共に引っ越してきて早や28年。
リビングの高みからずっと我が家の歴史を見続けてきた振り子時計がとうとう天に召された。
正確には召されかかった。
その寸前で私が蘇生した。
時計というものは、単に乾電池を入れ替えれば再び時を刻むもの…と私は思っていた。
しかし、その電池交換を夫に頼んだのが間違いの元だった。
口は出すけどほぼ手は出さない夫が、珍しく、椅子に乗って壁の時計を外し、電池交換を始めた。
言っとくけど交換するのは単3乾電池1本だけよ。
それだけ!
ところが、壁にかける段になって、振り子が落ちる。
何度やっても落ちる。
どうやら電池を入れ替える時、振り子を外して、戻し方がわからなくなったらしい。
そんな時の夫は、いつもひとりごとのように、そして私に聞こえるように
「ダメだな…」
と言う。
そこで私に助けを求めることは、男の沽券に関わるとでも思っているのだろう。
私に頼むことはない。
私は何も言わずに見ないフリをしていたのだが、最終的に壁を見上げたら、振り子のない振り子時計がかけられていた。
しかも、時計…動いてない。
ほんっとにマヌケな振り子なし時計。
その図を想像してみて。
取り付けられなかった振り子は、わん🐶のごはんの量を測るスケールの上に無造作に置かれていた。
こーゆーところがイヤ!なのよ💢💢💢
はあーーー😩もお!
最終的には私が治しましたとも。
振り子もキチンと付けました。
真面目にやればできるのよ!
だ!れ!で!も!ね!!
古い時計でもSEIKO クォーツ。
我が家の歴史を静かに見てきた振り子時計は、こんな様子をずっと眺めて来たのだ。
『コレどう思いますか?時計サン』
と心の中で聞いてみた。
そしたら振り子時計がニッコリ笑って
「しょうがないわね」☺️
…と。
そう言ったような気がする。
我が家の歴史を見てきた振り子時計