↑↑↑この続き
しょうがないので千円程度のフルーツでも買って行こうと思い、ちょうどそばにあったフルーツショップに入った。
店内は薄暗く、男店主はタバコを吸いながら、私を気にすることもなく、ボーッと天井を見つめていた。
『怪しいな』
『薬物やってるのか?』
と薬物中毒の人を見たこともないのに、そんなふうに考えた。
とりあえずプリンスメロンのひとつも買って、プレゼントにしよう。
早いとこ済ませて、とっとと、この店を出よう。
薄暗い店内と不気味な店主に恐怖を感じながら適当なフルーツを探してみた。
しかし、ぐるりと店内を見回しても、フルーツショップのはずなのに、置いてあるのはみかんだけ。
それも箱みかん。
これじゃあのバケツグッズより重いじゃないか。
なんとかバラ売りしてもらえないだろうか。
でもこの薬物中毒と思しき店主に声をかけて、万が一こちらの身が危うくなったりしたら大変だ。
…などと考える。
躊躇っていると、不意に店の外を白い物体が横切って行くのが視線の端っこに見えた気がした。
ん!?
あっ!…アレは!!
もしかしてまる(ウチのわん🐶)?
なんでこんな所にいるの?
その白い物体を追い掛けて急いで店の外に出た。
そこにいたのは紛れもなく我が家のわん🐶
間違いなく私のまる🐶
私の方を見てニヤリと笑い、あっちへビューン、こっちへビューンと疾風の如く走り回る。
あーもう、どうしよおぉ😩
ウチのわん🐶は車にさえ突進して行くイノシシのような犬。
ひとたび自由を手に入れると、周りが見えなくなって猪突猛進するのである。
周囲にヒトはいるのだが、その足元をかいくぐって走る、走る、走り回る。
数ヶ月前、リアルで脱走した↑↑↑の一件を思い出し、ダメ元で叫んでみた。
「まるっ!おうち!!」
・・・・・
つづく