時同じくして、こんなニュースを目にした。
ひとつ目は、給食のうずらの卵が喉に詰まり、窒息死した小一男子の事故。
もうひとつは、給食のかきたま汁の入っていた器に触れてアナフィラキシーショックを起こした小学校低学年の児童の事案。
いずれも保護者が市に対し、損害賠償を求めて提訴したというニュースである。
昨年度末で退職した職場(特別支援学校)では、小学部低学年の子ども達用の給食は、毎日教員の手により、主菜、副菜はもちろん、汁物の具まで原型を留めないほど切り刻まれていた。
最初の内は
『ナニコレ!?』
と思った。
『美味しそう』
とはとても思えない代物になり変わっていたからだ。
食事を楽しむとか、栄養を考えるとか、最低限のマナーを教えるという給食指導はそこにはなく、とにかく事故が起きないことに徹した給食だったのだと思う。
それは特支故のこと…と、のちに納得した。
うずらの卵の男の子は普通学校普通学級の児童だったようだが、その保護者は
「うずらの卵は窒息の恐れがあるのでよく噛んで食べましょうという指導がなかった」
…ということで提訴したのだとか。
我が子を亡くした親の気持ちは想像に余りあるが、それでも訴訟は違うかな…と。
ふたつ目のアレルギーの子の場合は
「薬をすぐに飲ませなかった」
というのが発端らしい。
しかし、学校における薬の取り扱いは非常に難しく、親から薬を預かっていても、教職員が投薬することは本来できない(はず)。
そもそも、かきたま汁が入っていた器に触れただけでアナフィラキシーショックでは、もはや集団生活など不可能な次元ではないだろうか。
気の毒ではあるけれど、命が大事だ。
しかし、あれも提訴、これも訴訟って、いつから日本はそういう国になってしまったのでしょうね。