今週のお題「間取り」
昔住んでいた実家は平屋だった。
だから幼い頃からずっと二階建ての家、特に階段に憧れていた。
階段をトントントーン♬と軽やかに駆け上がる自分の姿を想像していた少女時代。
10数年経ってようやくその夢がほんの少しだけ実現した。
結婚して初めて住んだのが二階建ての木造アパートの2階、2K。
部屋に向かう外階段はトントントーン♬と軽やかに上がるには程遠い鉄階段だった。
まさしくこれ!
築何十年か忘れたけど、鉄の階段は経年劣化であちこち穴が開いていた。
手すりもガタガタだし、サビがボロボロ落ちてくる。
そこを買い物袋を抱え、子どもを抱きかかえて往復するのだ。
ガンガンガーン🔨と。
そのアパートに6年あまり暮らした後、今の家を建てた。
もちろん田舎に…である。
そしてもちろん憧れの階段もある。
が、今この年齢になって思うのは
平屋がいいな
である。
強風が吹くと2階は揺れるし、大雪が降れば高い屋根から落雪の危機。
その都度、恐怖と戦わなくてはならないのでほとほと疲れる。
今年で築27年。
外壁と屋根のリフォームも終わらせ、今後この建物にかかる費用はゼロ!…と思(願)いたい。
来るべき年金生活のためにも出費は極力少なくしなくてはならないので、修理の必要がないように、大事に大事に住むつもりでいる。
我が家、間取りは6LDK。
この団地の中では大きい家の部類に入る。
もちろん田舎だからこそ可能だった6LDKである。
27年間、当然いろいろなことがあった。
嬉しいことも、楽しいことも、悲しいことも、辛いことも…。
そんな時代を経ての今。
壁のシミや玄関の傷を見るたびにその時々の思い出が蘇ってくる。
家に歴史ありだ。
家族5人、それぞれがひとりになれる空間を持ち、適度な距離感を保って暮らすことができている。
我が家の居心地がいいせいか、はたまた私を残して出て行くのが忍びないのか、ひとり暮らしの甲斐性がないのか、なんだかよくわからないけど、相変わらず一家5人で暮らしている。
将来夫婦ふたりになったら
はたまた夫に先立たれ、私がひとりになったとしたら、この6LDKは無駄に広すぎる。
掃除も行き届かなくなるだろうし、この冬のように大雪が降ったら身動きが取れなくなるのは必至である。
やっぱり、平屋がいいな。
間取りは2LDK。
雪は積もらず、地震は起こらず、台風も来ない。
そんな所で暮らしたい。
夢のまた夢。
〜今日の一句〜
晩年は 気軽に身軽に 暮らしたい